「フェイブルマンズ」見てきた。今回は特別編として、「フェイブルマンズの描写から見るASD」と普通の感想編の豪華セットで書いていきます。
フェイブルマンズの予習としてWikipedia大先生を見ていたら、スピルバーグが発達障害とLD(学習障害)を受けていたと告白した文章があった。Googleでも検索したら結構なところに言及がある
https://www.cinematoday.jp/news/N0046319
「こういう文章を見たら一次ソースに当たれや」と言われてきたので一次ソースであるFriends of Quinnに当たったけどページのリンクが切れていました…
ぼっちちゃん!ちゃんと大切なソースは早めに紙媒体とかで確保しようね!
ということで具体的な内容について書かれていたこちらのホームページを見ました。その内容から「もしかしたらフェイブルマンズ内でも触れられるかも?」と思い、少し気にしながら見ようと思いました。
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(参考)ASDの診断基準
[DSM-5における自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)の診断基準
以下のA、B、C、Dを満たしていること。
A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(以下の3点で示される)
①社会的・情緒的な相互関係の障害。
②他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
③年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。
B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)
①常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方。
②同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、
言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
③集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある。
④感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。
C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。
D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。]
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映画における触れられ方
フェイブルマンズ内でASDと関係すると思われる描写は以下の通りである
- 映画を見た後、列車の衝突シーンを繰り返し行う
- カメラをもらった後に作品を取るために家のものを使い切る
- フィルム編集への集中
- アリゾナの戦争の映画を取る際、撮りたいシーンの説明を細かく行う
- カルフォルニア転校後、秘密を堂々と人前で話し、他の生徒の怒りを買う。その結果、いじめにつながってしまう
- サミーの言い方をサムとことあるごとに訂正する
この中で前述した診断基準に該当するのは以下の通り
社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害→4、5、6
限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)→1、2
症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。→1、2、5、6
症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。→5
このことから、ASDの診断基準を満たしていることが伺える。そして、スピルバーグ自身が幼少期の自身に対するASDへの見方にすごく自覚的になっていることが感じられるのである。
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最後に
フェイブルマンズという作品はASDを悪く言うのでもなく肯定的に見るものでもなく、あくまでも客観的にどう見てたかを意識しているように感じられた。
また、ASDの特別な興味が好転的に作用したいいケースワークとして映像として残る作品としても興味深い作品になりそうである。気になった人はこの論文も読んでみてね