ワシ「勝手に他人によって評価軸を変えられる。悪意ある切り取りって怖いな〜怖いな〜」
(ラストのコンサートシーンのモンハン装備コスプレ観客が映る)
ワシ「!?!?!?」
(エンドロールでMonster Hunter orchestraの文字を見る)
ワシ「やりやがったな!」
-
はじめに
上記したアレはれっきとした今年度のアカデミー賞作品賞ノミネート作「TAR」の感想である。
どうしてモンハンが出てきたの?というのは後述する。しかし、この映画はそれだけではない現代的な映画でもある。
-
悪意ある切り取りとSNSこそが真の権力者?
この映画はリディア・ターという人物を通して権力のありようを問いかけていく映画である。この映画において権力者を追い落とす手段として切り取り動画とSNSの急速な拡散が用いられている。これを機に一瞬にして権力を失っていくのがリアルだった。
かと言ってターが全部悪いという話ではない。例えば最初の講義シーンで「私は性的な信念でバッハを指揮したくない!」という学生をターが論破していくシーン。筆者は「甘ったれたこと言うなや…」って思った。この場面ではターが正しい。しかし、終盤ではこれがパワハラの証拠!というように位置付けが変わっていくのがすごい怖かった。
まさにこの画像のように切り取り動画が使われていた
こうした話は人に対する評価軸は我々が簡単に動かせる怖さを感じさせた。
見てる時に感じたのがこれ。軸を動かしたことでターの持つ社会的印象が一気にネガティブに結びつく。それを動かしたのがSNSというのが今作の面白さという
-
モンハンとオーケストラ
冒頭のモンハンシーンに戻る。ベルリンオーケストラを追われたターが再起のためにモンハンのコンサートを指揮する。これを「ゲーム音楽を低俗なものにするな!」と取ることもできるし、「彼女を救えるのは音楽」とも取れる。
モンハンの音楽とオーケストラは関係が深いので最後に使われるのは理解できるが、観客みんながモンハン装備コスプレしてます!はやりすぎで笑ってしまった。割とTPOわきまえてるよ!
あと、スネに傷はあるけど超一流を受け入れる土壌があるのはアジアっていうのも面白い視点である。
直近でターの話に近いなってなったのはこれ
-
さいごに
権力のありようを描いたラストでモンハンが出てきたのは笑ったが、すごくアカデミー賞ノミネート作品らしい仕上がりだった。どうして今年のアカデミー賞はエブエブが無双したんだ…
最後に言いたいこと。
ヨーロッパって生きにくいね…