「ザ・ホエール」感想 偏見に翻弄された人たち

  • はじめに

今年のアカデミー賞、想像以上にエブエブが無双して他のノミネート作が無観で終わることが多かった。そんな中で主演男優賞を勝ち取ったのがこの「ザ・ホエール」である。

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  • ポリコレを文脈に溶け込ませることの難しさ

ブレンダン・フレイザーが200キロを超える過食症の男性を演じて、見事にオスカーを勝ち取ったこの作品だが、主人公のチャーリーが

・結婚し子供をもうけるも、男性(作中に出てくる看護師リズの親父)を愛して離婚。

・リズの親父がやべー宗教にハマって死ぬ

・そのショックで過食症になり200キロを超える肥満体になってしまった

というポリコレ弱者要素てんこ盛り。これを文脈に乗っけて溶け込ませるのがうまかった。あくまでもチャーリーの贖罪がメインという軸がブレてない。

ポリコレをただ乗っけるだけではあかんのやで?と教えてくれるいい作品である。

  • はみ出し者が集まるチャーリーの家

チャーリーの家が舞台になるのだが、そこに来る人たちもみんなクセがすごい。

・世の中全てが大嫌い!とにかくキレ散らかすチャーリーの娘エリー

・チャーリーの介護をやる苦労人だが、親父をめちゃくちゃにした宗教は許さないマンことリズ

・たまたま勧誘に来ただけなのに…なし崩し的に介護をやらされエリーに大麻を吸わされ正気に戻るトーマス

・反抗期の娘と逃げ出された親父に挟まれ酒に逃げたメアリー

とまぁ何かしら歪みのある人が多いこと多いこと…こんな人たちがなぜかチャーリーの家で集まり、何か大切なものを取り戻していく。そこの描写が面白かった。リアリティもありすごく好きになってしまう

あれ?はみ出し者が集う場所?これって喫茶どんぶらでは?えっ?違う?

  • 偏見に翻弄された人たち

この作品を見て感じたのは偏見に翻弄された人たちの生き様だ。同性愛、過食症、見た目、宗教、成績などなどなど色々な偏見に翻弄された人たちが確かに生きてる。その泥臭い生き様が伝わってきた。

  • さいごに

アカデミー賞主演男優賞の作品は文脈を読む映画の入門として見やすいと個人的に思うので難しい映画を始めて見る人にはオススメしたい

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