ネタバレしかない「君たちはどう生きるか」感想

  • はじめに

宮崎駿の最新作が公開された。本当に公開されていた。それもそのはず。今作はジブリの鈴木プロデューサーの意向で事前の広報を一切打たないと名言されており、パンフレットも後日販売という徹底ぶりである。こうした広報戦略により事前にマスメディアとかで見れるのはこのポスターのみである。

しかし、公開日当日にジブリTwitterが謎の鳴き声を発したり、米津玄師のハッシュタグに例の鳥が出てくるなど、完全に情報統制できてるとは言いがたいところも多々あった。さらには米津玄師のツアーに宮崎駿と鈴木プロデューサーが連名で花を送ってる写真が出回るなど、「広告を一切打たない」と言いながら脇の甘い部分が散見されており、厳密な情報統制の難しさを感じさせた。そうしたことからTwitterではお祭り騒ぎであるものの、一般の盛り上がりはイマイチという熱量の差も見受けられた。

そうしたある種の情報アンテナの感度差を測る指標になった「君たちはどう生きるか」である。

  • 映画を見る姿勢の変化

こんなにワクワクしながら映画を見たのは久々である。筆者は「Twitterとかやってるからある程度のネタバレは踏んでも仕方ない」というスタンスだ映画を見ることが多い。しかし、今回はネタバレを避けつつやっていくよう意識していたように思った。

映画とネタバレは昨今の映画を見る上で避けては通れない話である。公開して2週間したらネタバレ解禁というのが昨今の流行りになってきている(それを流行らせたのが宮崎駿の弟子である庵野秀明というのも何かの因果を感じる)しかし、あまりにも情報がないため今作の公開初日の初回が終わったタイミングでネタバラシをするマスメディアが続出。その結果としてネタバレを踏む確率が他の映画よりも格段に上がってしまった。実際、筆者も昼休みのLINEニュースでキャスト情報が流れてきており、そこでキャスト情報を知ってしまった。こうしたことから、事前に広報を一切打たないことがネタバレを踏むリスクを高めてしまうということがうかがえる。

上映中は普段より集中して映画を見れた。加えて余計なことを考えずストーリーを見ることができた。

とまぁ書いてきたけど普通とは違った体験ができてよかったのかもしれない。

  • 宮崎駿ティアーズオブキングダム

次に中身の話。まぁ率直に言って普通の冒険活劇でした。ここまでネタバレをせずに引っ張ってきた割にはシンプルな話でしかなかった。大物ゲストもキムタクとか菅田将暉とか柴咲コウとかあいみょんとかすぐにわかった。けど、滝沢カレンどこにいた?

ラストの大叔父様のメッセージはジブリと息子にかけたメタファーとか色々言われてるけど、「今を必死に生き抜けろ」っていう宮崎駿のメッセージだと私は思いました。

総じてシンプルだけど面白みにかけるような話であり、すごくシナリオゲームの匂いがしました。

あと、眞人が弓矢を作るシーン。どう見てもティアキンだったね!

  • 細かいところ

・初手の空襲シーンは迫力があった

・眞人のオカンの妹と再婚してお腹をさするシーン、性癖が詰まりすぎている

・眞人も菅田将暉がやってると思ったらみんな大好き君生きクソバードだけだった。

・荷物に群がるオバハン達が妖精に見えてくるの、マジックでしかない

・やっぱり田舎のクソみたいなところはあるけど、それ以上にキムタクパパのヤバさが際立つ。今ならモンペとしてめっちゃ叩かれてそうだ…

・エロいお姉さんが突然凄まじい弓捌きを見せるの、完全にパヤオの癖だろ!

・マスコット枠が精子って…ええんか…

・インコやペリカンの不気味さやばかったね…

・大叔父様がパヤオ、眞人が息子吾朗、青鷺が鈴木敏夫、インコやペリカンジブリスタッフ、母がアニメ、鳥の王様が高畑勲ジブリの内部のドロドロを描いている、っていうのをよく見たけど、本当だったらジブリ内部ヤバすぎると思う

・息子が恋したのは実のオカンの幼少期ってなかなかに業が深い…

・鈴木プロデューサーは本気でこの映画で鬼滅を追い抜こうとしているのは伝わってくる

 

  • 最後に

総じて異様な映画体験になったけど、ネタバレ解禁する前に早めに見てね!