ネタバレあり「ウィッシュ」感想 100周年はコケられない

ディズニーさんのコケられないというプレッシャーが伝わってくる…

https://www.disney.co.jp/movie/wish

 

  • はじめに

ウォルト・ディズニーがアニメーションスタジオを立ち上げたのが1923年。今年は100周年のメモリアルイヤーとなった。そんな年に公開されたウィッシュ。

舞浜市のディズニーランドににお世話になってる筆者としても見逃せない作品である。

 

  • 絶対に失敗してはいけないというプレッシャー

良くも悪くも無難な冒険活劇のミュージカル映画である。しかし、ウォルトの意思はこの後の100年に受け継がれていくべきというメッセージはちゃんとある。

あのメインテーマの見せ場もあるし、近年のディズニーに対する不安から生じる心配が杞憂に終わってよかった。

ジュリア・マイケルズ & Wish - Cast「ウィッシュ (オリジナル・サウンドトラック/日本版)」 https://music.apple.com/jp/album/wish-japanese-original-soundtrack/1719870394

しかし、「この映画を失敗させてはいけない」というプレッシャーが伝わってきて、そっちの方が辛かったなと思いました。

  • 数多くのディズニーオマージュ

過去のディズニー作品のオマージュがふんだんに詰め込まれていてそこもまた見どころ。

・アーシャの友達が7人→白雪姫と7人の小人

・アーシャが魔法使いの弟子になる試験を受ける→ファンタジアのミッキーが魔法使いの弟子

・森の動物→ジャングルブック

・アーシャ達ティーンがマグニフィコ王を倒すために立ち上がる→ピーターパンなど

・最終的に魔法使いになったアーシャがフェアリー・ゴッド・マザーになる→シンデレラ

・魔法使いの力をうまく使えない→ファンタジアのミッキー

とディズニー作品へのオマージュがそこかしこにイースターエッグのように仕込まれている。

また悪役のマグニフィコ王にも過去のディズニーヴィランの要素がたっぷり仕込まれていて

・外面が善良な王→アナ雪

・自分のことを鏡にイケメンか問う→白雪姫

・暗黒魔法使った時の緑のエフェクト→マレフィセント

・最後は自分の作った杖に封印される→アラジン

という感じである。この小ネタを見つけるのも楽しみの一つだろう。

  • 細かいところ

・ヤギのヴァレンティノの鳴き声まで山寺宏一さんがやっていたら笑う

・マグニフィコ王の願いの儀がどう見ても福山冬の大感謝祭

・マグニフィコ王にここまでロックスターの要素が入ったらそら福山雅治にオファー出すわな…

・足を引きずる子を気に留めないのすごくよかった。

・スターのゆるキャラ

・100周年でもポリコレを止めない!加減しろ!バカ!

・最後のアーシャのおじいちゃんがしんみりとギター弾いてるシーンはすごくよかった

・ポリコレに惑わさず地に足つけて生きような!と思いました。

  • さいごに

ディズニー100周年のメモリアルアニメはまぁ無難な感じだった。ただ、関係者の心労を思うと胃がギュッとなる。日本の興収がいい感じなのでホンマよかったね…

  • ワンス・アポン・ア・スタジオ

おまけ。本編と同時上映される短編アニメがコレなんだけど、めちゃくちゃよかった。これだけで入場料の元が取れるレベル。

これまでにディズニーが作ってきたキャラクターが実在するディズニースタジオで記念写真を撮ろうと画策するお話。わずか15分くらいの中に色んなキャラクターが入り混じっていくのだけど、夢のような組み合わせがたくさん出てきた。流石に画面いっぱい山寺宏一はなかったけどさ

やっぱりこう見返すと我々が好きだったキャラ(筆者はベイマックスズートピア辺り)が昔のキャラクターとたわいのない話をしているのは嬉しい。何よりこの歴史を感じさせる強さもある。

近年はポリコレだとかあーだこーだ叩かれがちだけども、ちゃんと色んな世代の記憶に残れるキャラがいるのは凄いと思う。

筆者はこれでマジ泣きしそうになったのでこのアニメだけでも見てください。

「ナポレオン」感想 

IMAXで見るべき映画のひとつだと思う

  • はじめに

ナポレオンの生涯をリドリー・スコット監督、ホアキン・フェニックス主演のコンビで描く。

  • 島耕作みたいって言ってた人の気持ちがわかる気がした

ナポレオンといえばこの肖像画がパッと浮かぶだろう

こうした英雄譚を期待して見ると肩透かしを喰らうかもしれない。実際のところ愛と権力に狂う天才軍師という趣の話である。戦略の才がある軍人がフランス革命の混迷の中でもがいていく様を描いている。

皇帝になった後、ロシア皇族とウィットに富んだ話ができないシーンが印象的だった。軍略の才以外に何もない男を印刷づけている。

  • 圧巻の戦争シーン

トゥーロン港の奇襲、アウエルシュタッドの大砲撃、ワーテルローの完敗と戦争シーンが圧倒的リアリティで迫ってくるのはやっぱり凄かった。冒頭にIMAXで見るべき作品といった理由がコレ。マイゴジもそうだったが、VFX感を感じさせないリアリティのある映像美が素晴らしい。

また、こうした戦いで軍略に長けたナポレオンが最後は真っ向から向かって負けたという無情感も際立つ。

この重厚な戦争シーンで入場料の元がとれるのでIMAXなど質の高いスクリーンで見てほしい

  • 細かいところ

トゥーロンで馬が砲撃で死ぬシーンがあり、人が死ぬより酷い。

・結構ガチ目に子作りするシーンはなかなかにアレ。

・時間が経つにつれホアキン・フェニックスヴァネッサ・カービーがやさぐれていくのすき。離婚のシーンのコント感もすき

ヴァネッサ・カービー演じるジョセフィーヌがいい。アカデミー賞助演女優賞狙えそうって言われるのも納得。

・最後の枯れていくところに見え隠れするホアキン・フェニックスさんの魅力

・パンフのインタビューが少ないところにストライキの影響を感じる

  • さいごに

久々にIMAXで見てよかったと思った一本でした。

最後に一言。

 

フランスってこえー…

「首 KUBI」感想 型破りの面白さ

  • はじめに

北野武監督の最新作は時代劇。本能寺の変を新しい解釈で描く作品である。

やはりポスターにもあるように戦国アウトレイジに近い話になりそうな感じがしたのだ。が、映画を見てその印象はガラッと変わってしまった。

 

  • 時代劇を笑い飛ばす

実際は秀吉、秀頼、黒田官兵衛がシニカルな時代劇を笑い飛ばすコメディ要素が強く出た作風だった。パンフレットの中でも監督が「時代劇ってさ、ホントの時代を映したもんじゃないよね?もっと血生臭いよ」というようなニュアンスの発言をしているように、従来の時代劇って滑稽だ。という話をショートコントを畳み掛けるような作風で描いていた。

それが強く出てたなと感じたのが家康の伊賀越え。大河ドラマなどで家康の三大危機として描かれる伊賀越えだが、この映画では追っ手に追われながら服部半蔵(桐谷健太だったのビックリした)が淡々と処理し、影武者が死んだら「変わって」というようなあっさりしたものだった。そのシニカルさは真田丸のコント伊賀越えを見た筆者のツボに入ってしまった

ハラキリを長いよ!と突っ込むシーンやラストの光秀の首を見分けるシーンなど随所に「コメディアンの巨匠ビートたけしが見たここが変だよ時代劇」を散りばめていて笑ってしまった。KADOKAWA東宝の広報担当は泣いていい

  • 自分の土俵に持ってくるための型破り

この作品のキモになるのは型破りの正しい理解だと思う。

https://togetter.com/li/1600090

これは市川猿之助がテレビで語っていた型破りと型無しの違いについての話だ。

「型を学んでから破るのご型破り。型を学ばず新しいことをやろうとするのが型無し。」

これを踏まえてこの映画を見ると更に味わい深い。

パンフレットの中でも大河ドラマとかを見てきて「なんか違うぞ?」というものがあったのがこの作品の出発点だと語っている。つまり、しっかりと時代劇という型を学んで「こんなものにマジになってどーすんの?」と破っているから面白いのだ。

自分の土俵である「笑い」に時代劇を寄せて従来の時代劇を破る。このおかしさで満足できると思う。

  • 細かいところ

・BL要素強かったね!西島秀俊遠藤憲一のBLがあるだなんて…

・近年の研究成果なんて知らん!と言わんばかりのテンプレ気狂い織田信長

・頭のネジが吹き飛んでる加瀬亮さんから漂うSPECの匂い

森蘭丸を犯す信長で笑いそうになった

アマレス兄弟めっちゃ重要なポジでビックリした

・アクションの多くがニンジャバトルだった。ワザマエ!

・わずか数分の出番だけど強烈なインパクトを残した柴田理恵大先生。もっと色んな映画に出てほしい

・ちゃんと格の高いような人だったのが千利休と家康だけだった。

・実質もう1人の主人公だった農民から出世した武士の役をやる中村獅童。とにかく走り回って泥に塗れてかわいそうだった。最後に光秀の首を貰えたところで名もなき農民兵に殺されるの因果応報感もあり報われなかったな…

中国大返しの三文芝居はズルい

ビートたけし大森南朋浅野忠信の3人でコント番組に出れるよ

  • さいごに

面白かったけど、人がバンバン死ぬのでグロいの苦手な人は気をつけて。あとこれだけは言っておきたい。

 

たけしさんから「面白いこと言ってみろ」と2〜3回詰められたキム兄の心労が心配です!

「正欲」感想 薄っぺらい多様性の枠を笑う死んだ魚の目をした人達の物語

https://bitters.co.jp/seiyoku/#

期待せずに見てたらすげー面白かった作品の中に入ると思う

  • はじめに

朝井リョウ原作の小説を稲垣吾郎新垣結衣で実写化!主題歌はvaundy!

これだけなら死亡フラグ満載の近年の邦画らしい話に見えてくる。しかし、実際に観てみるとまぁ面白かった。すごく考えることが多かったし、何かと物憂げになる秋に観る映画としてオススメしたくなった。

  • 薄っぺらい多様性を笑え

物語のテーマは多様性。多様性が叫ばれる昨今において、多様性の枠は誰が決めてるの?という根源を問われてる。

上図のように従来の伝統的価値観を広げていこう!というお題目で始まったLGBTQなどの運動だが、それはそれを主張する人達の枠によって決められてるんじゃない?というのがこの映画や原作で問われてるテーマである。つまり、上図の青いゾーンに入らない人もいるけどその人達をどう理解するかというのが問われてる。

それを示すために使われたのが水フェチという極端な癖の人達であり、この人達をどうしていくかというのがひとつの見どころである。こうした枠から外れた人達の中にはおぞましい犯罪をする人もいれば、普通に癖を隠して生きてる人もいる。その人達を多様性として理解するのは必要。しかし、それはとても難しいのではないか?というのが大きなテーマである。母数は少ないけど、現にこうした多様性を言い訳にした犯罪も起きてきてる。

この映画におけるLGBTQ運動はとにかく全体的に薄っぺらい。特に大学の学園祭の会議をするシーンがそれを象徴している。「多様性かっこいいよねー」という学園祭実行委員の女性とサークルのリーダーの女子大生。それを隣に座ってる諸橋(佐藤寛太)が冷めた目で見てる。

「そういう薄っぺらい多様性で俺を理解した気になるなよ」という強いメッセージがあるシーンでしたね

昨今の薄っぺらい多様性に強いカウンターをぶつけていた印象が強く残っているいい話でした。

  • 死んだ魚の目をした登場人物達

登場人物の多くが目に光がない。死んだ魚の目をしている。それは一見するとすごく幸せそうに見える検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)も例外じゃない。彼も多くの枠=法律から外れた人を見てきて彼らをどうするかという日々の中で心を無にしてやってきた結果、無のような目をした人になってしまった。そう取れるように筆者は感じた。

淡々とひたすらに死んだ魚の目をした人達が社会で生きるのに強く共感した。作中のセリフで「社会に馴染むために擬態して生きている」というのがあるけど心の中で首がもげるほど頷きましたね。

  • 細かいところ

・夏月(新垣結衣)に雑に絡む主婦のリアリティの高さ

・佐々木(磯村勇斗)が来るに過剰反応した後に「いつの間にかお前らできてんの?」というデリカシーのないLINEでゲラゲラ笑った

・ガッキーがあんなことやこんなことをするのでガッキーファンも見てほしい

朝井リョウさん作品のメンヘラの解像度の高さなんなんだ

・水の描写がいい動画に必ず子供とかがいるの人の心がなさすぎていい

磯村勇斗さんにそろそろ幸せな若い人の役をあげてください

・パンフの稲垣吾郎さんのプロフィールに闇を詰め込むんじゃないよ!

  • さいごに

薄っぺらい多様性、意識だけ高くなる人達、死んだ魚の目をして擬態する俺たちと時代のうねりを的確に詰め込んだ作品になっていてすごくよかったです。

最後に一言。

「見る前の自分には戻れない」というキャッチコピーは言い過ぎじゃないっすかね?

  • おまけ

作中にひきこもりの少年のお話が出てくるのでちょこっとだけおまけを。

彼らが動画を作ったりすることは否定はしない。しかし、この家庭の状況を見るにお父さんがこの活動に同意してないのであればお父さんに動画作ってますということは意図的に伏せてやるべきだと思う。例えばお父さんが帰ってくる時間から逆算して片付けの時間などを作っておくべき。それと並行してお父さんと話す時間を作るのも必要だと思いました。

「ゴジラ-1.0」感想 渾身のVFX

いつ何かのタイミングでゴジラ映画の依頼はくるとは思ってましたが、まさか『シン・ゴジラ』の次にくるとは。『シン・ゴジラ』は大好きなんです。でもよく出来過ぎているので、今回の劇中に「誰かが貧乏くじ引かなきゃいけねぇんだよ」というセリフがありますけど、ややそういう気持ちがある一方で、『シン・ゴジラ』のようなものを観ると、自分もゴジラ映画を作ってみたいという気持ちが高まってくる。その勢いに乗って、監督をやろうと決めました。

(ゴジラ-1.0パンフレット 山崎貴インタビューより引用)

  • はじめに

ゴジラ70周年記念作品であり、久々の大作になるゴジラ-1.0。

発表された当初は大ヒットをした「シン・ゴジラ」の後であるとかユアストーリー山崎貴監督を起用するなど荒れに荒れたが、予告編などを見て段々とそういう批判の声が減ってきた印象である。

果たして公開された作品はどうなるのかと思いつつ映画館へ向かった。

 

  • 圧巻のVFXパワー

この映像を見てギャレス・エドワーズさんが1億ドルかけたの?って思うのも納得だよ(実際の予算から目を逸らす)

とにかく映像表現は圧倒的だった。ハリウッド版以上の映像を全編通して残していた。ゴジラVS新生丸・高雄や銀座で大立ち回りするゴジラ、海神作戦、飛行機から見える風景など技術屋山崎貴の意地が随所に見え隠れしていた。なんなら予算規模が100倍近いと思われるマーベルズ予告編より迫力があったよ。(むしろマーベルしっかりしろって言いたくなるよ)

www.youtube.com

特にゴジラの熱戦放射発射シーンはもう凄かった。背鰭の動き、放射線の発光、発射される熱戦の迫力。過去No. 1と言っても過言ではないと思う。

また、海のシーンのCGやVFXは気合いが入っていた。「過去の作品の蓄積を生かした」とパンフで山崎貴監督が語っていた通りすごい映像になってました。

この圧巻のVFXパワーが今作の見どころ。

  • 「生きて抗え」にこだわった人間ドラマのベタベタ感

最初の引用したインタビューのように人間ドラマで対抗すると「シン・ゴジラ」と被り、上手くいかないってわかっていたから敢えて人間ドラマはベタベタになっている。

ゴジラにまつわるポリティカル・アクションには『シン・ゴジラ』があるので、同じことをやってもしょうがない。

・自分の土俵に連れてこないと、この映画には勝ち目がないと思ってたので、かなり得意ジャンルを取り込みました。

(ゴジラ-1.0パンフレット 山崎貴インタビューより引用)

このことは山崎貴監督が何度もインタビューで言っている。だから敢えてベタベタな人間ドラマになっていたのが印象的だった。国が頼れないから民間で!→犠牲者ゼロで行こうな!という論理は筋が通っているし、それを実現したのが無謀な若い力というのも時代背景に合っていてよかった。

そのベタベタな人間ドラマを成立させたのが神木隆之介

自分の弱さで軍を壊滅させた上に生き残り、成り行きで今まで過ごしてきた女性が自分を守って犠牲になる。その結果としてゴジラへ復讐を誓う。この役回りを圧巻の絶叫力で成立させていた。ここに神木隆之介さんを曇らせていくという強い意志を感じるのは気のせいだと思いたい。

ストーリーの根っこにちゃんと生きるっていうのが通っているのはよかった。けど確実に死んだやろっていう浜辺美波さんをああいう形で生存させたのはねぇ…次回作がどうなるかにかかってる

東宝さん頼みますよ!

 

  • 細かいところ

・いきなりゴジラに食い殺される日本軍で笑った
・神木君をぶん殴るやさぐれ技術屋の青木崇高さんから出る実家のような安心感
PTSDの演技がうますぎる神木隆之介大先生
神木隆之介さんと浜辺美波さんの出会い方が君の名はを隠しきれてない
・隣人のいやーなオバハンからツンデレおばさんになる安藤サクラさんの実家のような安心感
・らんまんのような日常パートとゴジラさん大暴れの地獄パートの落差がすごい。
・新生丸の面々、王道のコンビ感出まくっていて大好き
・高雄がゴジラにあれやこれやされる薄い本冬コミに出そう
・咄嗟に神木隆之介さんを守って吹っ飛ばされる浜辺美波さんの既視感
・神木君を近くで見て支える役回りに吉岡秀隆さんを配してるのポイントが高すぎる。この2人似たようなキャリアだもんね…
神木隆之介さんが我々の思っていたような成長曲線を描いていてよかったです。

 

  • さいごに

ハリウッドの予算力でないと実現できないと思われてた王道のゴジラを実現できた白組に脱帽です。次回作のハードルが上がった印象もあるけど頑張ってね!

www.youtube.com

終わった人はこれも見てね

アーマードコア6をやった(ネタバレあり)

  • はじめに

アーマードコアといえばネットミームである。https://dic.nicovideo.jp/t/a/身体は闘争を求める

これを知ってる人は多いと思う。しかし、昨年の2022年のThe game awardsで新作の発表が行われた。集団幻覚がトレンド入りする事態になり、祭りが起きたのである。

https://www.armoredcore.net

そして2023年9月にアーマードコア6がリリースされた。筆者も購入した。

つい先日全てのエンディングを見たのでここにプレイした感想を残そうと思う。ネタバレもあるのでやってない人は気をつけて

  • シリーズ初心者でも安心できる難易度

過去のシリーズは一切触れてない筆者でも創意工夫をすればクリアできる程よい難易度でもある。

近接武器が強いけど、近づくの難しい!→ならば弾幕で!など考える余地があるのもよかった。

1周目の中盤で手に入るワーム砲ことスタンニードルランチャー。めちゃくちゃ強かった!ナーフされてもストーリー攻略に役立つ。なんなら裏ボスもナーフされたワーム砲で倒したし…

あと、チェックポイントがあるのもありがたかった。これで初めてやる難しいポイントに絞ってやれる。

こう見ると初心者でもやれる!ってやる気を起こさせる程よい難易度になっていたのがよくわかる。難しいけど何がなんでもクリアさせたい熱のようなものは随所に感じられた。

  • 味が濃すぎるキャラクター達

今作最大の魅力といっても過言ではない個性的なキャラクター達。

  • 621大好きおじさんウォルター
  • クールかわいいエア
  • Sっ気のあるエロい姐さん。変態技術屋シンダー・カーラー
  • カーラーの相方。捻くれてるけど健気なAIチャティ
  • 「クイック、クイック、クイッククイックスロー」愛すべきイケボの変態ブルートゥ
  • 愉快な遠足の始まりだ!みんな大好きバードマン軍曹G1ミシガン
  • 駄犬G5イグアス
  • インテリぶってるクソ野郎スネイル
  • 愛すべき相棒。ラスティ構文の使い手ラスティ
  • 公式ネタキャラことスウィンバーン
  • 策士と思いきや今作屈指のポンコツキャラでおなじみオールマインド

とまぁ濃い。ある界隈ではギャルゲー?とも言われてる。主人公621と共にこの個性派キャラクターが織りなす物語にも引き込まれる。

 

中の人も積極的に発信してくれてるからみんな何かしらの形で触れることが多かったのでは?

https://x.com/setsujisato/status/1696815002345451760?s=46&t=lhGqM4O3hH93yBQgwP6zoA

 

  • さいごに

初心者でも諦めさせない制度設計と濃すぎるキャラクターが織りなす物語。フロムの熱が感じられるいいゲームでした。そら日本国内で70万本も売れるよ…

ちょっとずつ上手くなるのが嬉しくなるのでやってみてはいかがでしょうか。

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想 ケツと膀胱を鍛えておけ!

長い。3時間22分は長い。

終盤になるとみんなディカプリオみたいな感じになる



・はじめに

スコセッシとディカプリオの6回目のコンビは3時間超えの超大作になりました。アメリカ先住民の影の歴史を描いた本作。とにかく上映後は時間ばっかり話題になってましたが果たして。

・テーマの斬新さだけで3時間はキツい

とにかくテーマの斬新さが一番のポイント。

natgeo.nikkeibp.co.jp

みんなに知られてないアメリカ先住民の虐殺事件とその捜査にあたったのがFBIの前身組織というお話。この新規性が一番のキモである。昨今のポリコレにも合致するいいテーマである。しかし、それだけをやっても3時間超えはダレてくる。特にFBIの取り調べ周りはマジでダルダルになっていた。

こうなるとキツい。いくらテーマが斬新でもみんな飽きてくる。これはこれでいい作品なんだが…

・ディカプリオとデニーロの胆力

こうした中弛みする作品をディカプリオとデニーロの顔芸で引き込んでいく。力技だがこれでいい。特に教養のない粗悪な白人を演じたディカプリオのひねくれた顔がすごくよかった。また、デニーロから滲み出る極悪人オーラと追い込まれていく哀れさもいい味がした。この2人のよさを上手く掛け合わせて飽きさせないようになっていましたね。

・さいごに

3時間超えの作品を淡々と進めていくのはいくら演者が頑張ってもやっぱりしんどい。やっぱりどっかでドンパチしないと難しいんやなっていうのも感じました。ディカプリオのひねくれた顔をじっくり噛み締めて味わおう